日中の強い眠気…原因は「睡眠時無呼吸症候群」などの病気かも!?
みなさん、こんにちは!今日は、日中の強い眠気についてお話ししたいと思います。
皆さんも経験があるかもしれませんが、日中にふと眠気が襲ってくることがありますよね。特に運転中や仕事中に眠くなると、ちょっとした危険信号です。
このような眠気は交通事故のリスクを高めたり、職場や学校でのパフォーマンスを落としたりします。日中の過度な眠気は、日常生活における安全性と生活の質に大きく影響を与える問題です。
実は、この眠気の背後には、睡眠時無呼吸症候群を含む様々な病態が存在している可能性があるんです。
エップワース眠気尺度テストで自己診断してみましょう
日中の眠気の程度を評価する指標として、「エップワース眠気尺度テスト」というものがあります。
これは医療の現場でも用いられる信頼性の高いテストです。日常のさまざまな状況での眠気を自己評価することで、日中の眠気のレベルを測定します。
下記の8つの問いについて「ない」「時々ある」「よくある」「いつもそうだ」のいずれかを選んでください。
合計点数が11点以上の場合は、何かの病気が原因で強い眠気が起こっている可能性があります。
どんなときに眠くなりますか? | ない | 時々ある | よくある | いつもそうだ |
---|---|---|---|---|
①読書をしているとき | 0 | 1 | 2 | 3 |
②テレビを見ているとき | 0 | 1 | 2 | 3 |
③人の大勢いる場所で座っているとき(会議や映画館など) | 0 | 1 | 2 | 3 |
④他の人が運転する車に1時間くらい休憩なしで乗っているとき | 0 | 1 | 2 | 3 |
⑤自分で車を運転していて、渋滞や信号待ちのとき | 0 | 1 | 2 | 3 |
⑥昼食後、静かに座っているとき | 0 | 1 | 2 | 3 |
⑦座って人と話しているとき | 0 | 1 | 2 | 3 |
⑧座って手紙や書類を書いているとき | 0 | 1 | 2 | 3 |
眠気の原因は「睡眠時無呼吸症候群(SAS)」かも!?
睡眠時無呼吸症候群は、睡眠中に呼吸が一時的に停止する医学的状態です。呼吸が何度も止まったり、浅くなったりすることで、体が低酸素状態になります。
SASでは睡眠の質が低下し、以下のような症状が出現します。
睡眠時無呼吸症候群の症状
- 日中の強い眠気、居眠り
- 睡眠中のいびき
- 中途覚醒(目が覚めやすい)、苦しくて目覚める
- 起床時の口喝、頭痛
- 頻尿
などがあります。
睡眠時無呼吸症候群の種類
SASは、無呼吸が起きる原因によって、次の2つに分類されます。
- 気道が狭くなり、呼吸が止まってしまう
→①「閉塞性睡眠時無呼吸症候群(OSA)」 - 脳の呼吸制御機能に異常がある
→②「中枢性睡眠時無呼吸症候群(CSA)」
では次に、OSAとCSAについて解説します。
①閉塞性睡眠時無呼吸症候群(OSA)
OSAの病態
OSAは、最も一般的な形態で、主に睡眠中の気道閉塞によって発生します。
睡眠中、喉の筋肉が過度にリラックスし舌が沈んだりして、気道が部分的または完全に閉塞します。この結果、呼吸が一時的に停止し、血中の酸素レベルが低下します。
リスク因子
- 肥満
- 扁桃腺の肥大
- 鼻の構造的問題
- 喫煙
- アルコール消費
などが閉塞性睡眠時無呼吸症候群のリスクを高めます。
②中枢性睡眠時無呼吸症候群(CSA)
CSAの病態
CSAは、脳の呼吸制御機能の異常によって引き起こされます。
脳が筋肉に適切な呼吸指令を送らないため、呼吸が一時的に停止します。
CSAの原因
- 心不全
- 脳卒中
- 一部の薬物の使用
などが原因となることがあります。
睡眠時無呼吸症候群の治療法
生活習慣の改善
- 体重管理
- 禁煙
- アルコールの摂取制限
など、生活習慣の改善が効果的です。
CPAP療法
CPAP(シーパップ)療法とは、睡眠時に無呼吸になることを防ぐために、空気を送って気道を開く、というものです。
気道を開けるために、一定の圧力の空気を供給するCPAPマシンを使用します。
口腔内装置(マウスピース)
顎の位置を調整し、気道を開けるための装置です。
手術
呼吸の障害となる組織を除去する手術も選択肢となることがあります。
また、睡眠時無呼吸症候群の他にも、日中の強い眠気の原因となる病気があります。
その他の疾患による日中の眠気
1. 過眠症
過眠症は、睡眠時間に関わらず、昼間に極度の眠気を感じる状態を指します。
この症状は、いくつかの異なる疾患に起因することがあります。
- ナルコレプシー
ナルコレプシーは、日中の過度の眠気や、通常起きている時間帯に自分では制御できない眠気が繰り返し起こることを特徴とする睡眠障害で、通常は突然の一時的な筋力低下(情動脱力発作)を伴います。
その他の症状として、睡眠麻痺、鮮明な夢、入眠時または覚醒時に起こる幻覚などがあります。
- 特発性過眠症
特発性過眠症は、日中に過度の眠気がみられる状態で、長時間の睡眠を伴う場合と伴わない場合があります。
情動脱力発作、入眠時幻覚、および睡眠麻痺がみられない点でナルコレプシーと鑑別されます。
2. 月経前症候群(PMS)
不眠、情緒の変動、身体的な痛みや不快感、頭痛、腹痛などがあり、これらの症状が日中の眠気を引き起こすことがあります。
まとめ
これらの状態は、適切に診断され治療されることで、日中の眠気をかなり軽減することができます。
もし、このような日中の眠気に悩まされている場合は、専門の医療機関への相談をおすすめします。適切な治療とサポートを受けることで、睡眠の質が向上し、日中の眠気も克服できるかもしれません。
毎日を元気に活動的に過ごすためにも、睡眠の質はとても大切です。
日中の眠気にさよならを言って、より充実した毎日を過ごしましょう!また、睡眠障害やその他の健康問題に関して心配がある方は、遠慮なく相談してくださいね。健やかな日々が待っています!