「幸せになろう」西成区民センターでの講演
2024年2月24日に、当院の倉知院長が西成区民センターで講演を行いました。
講演内容の要約をブログにいたしましたので、よろしければ是非ご一読くださいませ。
講演タイトル「幸せになろう」
日本は治安が良く、インフラが整っており、医療へのアクセスも良好です。にも関わらず、幸福度は世界で47位と、先進国の中では最低ランクです。なぜでしょうか?
「幸せ」とは一体何でしょう?
お金? 結婚? 阪神タイガースの優勝? これはたしかに幸せですが、実は幸せの本質はもっと深いところにあります。
脳科学によると、幸せは脳内に充満する幸福物質によってもたらされます。特に重要なのはセロトニン、オキシトシン、ドーパミンの三つが重要です。
- セロトニンは安らぎやリラックスを感じさせる物質です。朝起きたときの爽快感や、散歩中の気持ち良さはセロトニンによるものです。
- オキシトシンは愛やつながりを感じるときに分泌されます。家族や友人、ペットとの絆を深めることで増やすことができます。
- ドーパミンは目標達成や成功の喜びに関連する物質です。新しい挑戦や学びによって得られる喜びは、この物質によるものです。
幸せを感じるためには、これらのバランス、順序が重要です。順序はセロトニンが最重要であり、その上にオキシトシンが加わり、最後にドーパミンです。 例えばドーパミンを最優先にするとは、仕事での達成感を求めすぎ自分の体やパートナーとの関係をないがしろにする状態です。これは幸せとは言えません。
またセロトニンやオキシトシンは減りにくい幸福物質ですが、ドーパミンはすぐに減少する特徴があります。
それでは、幸せ物質の増やし方を考えましょう。
セロトニンの増やし方
この幸福物質を増やすためには、生活習慣の見直しが欠かせません。
- 睡眠:質の良い睡眠を確保することは、セロトニンレベルを高める基本です。特に、寝る前のリラックスタイムを設けることで、深い眠りにつきやすくなります。
- 運動:定期的な運動はセロトニンの分泌を促します。特に有酸素運動が効果的ですが、無理なく続けられる範囲で行うことが大切です。
- 朝散歩:リズム運動、朝日を浴びることが必要
オキシトシンの増やし方
- スキンシップ:家族や友人、ペットとの身体的な接触はオキシトシンの分泌を促進します。
- 感謝の表現:「ありがとう」と感謝の気持ちを表現することで、お互いのオキシトシンレベルが上がります。
- 共感と支援:他者への共感や支援行動はオキシトシンの分泌を促し、社会的なつながりを強化します。
セロトニン、オキシトシンについては気付いてないだけで、すでに達成している可能性があります。「今ここにある」幸せを感じる必要があります。
ドーパミンの増やし方
- 新しい挑戦:未知のことへの挑戦や新しい趣味の習得は、ドーパミンを分泌させる絶好の機会です。
- 目標設定:一時的な大きな成功は達成感がありますが、すぐに減少します。達成可能な小さな目標を設定し、それをクリアすることで得られる成就感は、ドーパミンの分泌を促します。
- 報酬の設定:自分自身に小さな報酬を設定することも、ドーパミンレベルを高める効果的な方法です。
ドーパミンは強力な幸福物質ですが、アルコール摂取などでも簡単にも得られるため依存症の原因にもなります。まさに諸刃の剣です。コントロールできなければ大変なことになります。
総括
幸せになるためには、セロトニン、オキシトシン、ドーパミンのバランスが重要です。それぞれの幸福物質を意識的に増やす努力をすることで、日々の生活の中に幸せを見つけ出し、育んでいくことができます。
※本講演は精神科医の樺沢紫苑先生著『精神科医が見つけた 3つの幸福 最新科学から最高の人生をつくる方法』を参考にしています。
興味のある方はぜひご一読してください。