予防接種
インフルエンザワクチンとCOVID-19ワクチン、同時接種は大丈夫?
冬の到来とともに、インフルエンザワクチンやCOVID-19ワクチンの接種を考える季節がやってきました。
でも、「これらのワクチンを同時に受けるのは安全なの?」と心配される方もいるかもしれません。
そんな疑問に答えるため、アメリカで行われた最新の研究結果をお伝えします!
インフルエンザワクチン × COVID-19ワクチンの同時接種の安全性
2021年から2023年にかけて、アメリカの3つの医療施設で「インフルエンザワクチン(4価)とCOVID-19ワクチン(mRNAタイプ)」を同時接種する場合の安全性を調査する臨床試験が行われました。
この研究では、同時接種と1~2週間ずらして接種する方法(逐次接種)を比較しています。
研究の内容
●対象者:5歳以上の非妊娠者335名(平均年齢33.4歳、女性63%)。
●接種方法:
- 同時接種群:インフルエンザワクチンとCOVID-19ワクチンを別々の腕に同時接種。
- 逐次接種群:片方のワクチンと偽薬を接種し、1~2週間後にもう片方のワクチンを接種。
●観察ポイント:
- 副反応(発熱、筋肉痛、関節痛など)
- 重い副反応(重大な有害事象:SAE)
- 接種後の生活の質(HRQOL)の変化
結果はどうだったの?
- 副反応
同時接種群の25.6%が副反応を報告しましたが、逐次接種群の31.3%と比べてもほぼ同じでした。 - 重大な副反応(SAE)
両群で各1件ずつしか見られず、安全性に大きな差はありませんでした。 - 生活の質(HRQOL)
接種後の生活の質スコアはわずかに低下しましたが、同時接種と逐次接種の間に有意な違いはありませんでした。
結論
インフルエンザワクチンとCOVID-19ワクチンを同時に接種しても、逐次接種と同じレベルで安全性が確認されました。
同時接種は効率的で、両方のワクチンを一度に受けられる便利な選択肢です。
インフルエンザワクチン × 肺炎球菌ワクチンも注目!(千葉県 亀田総合病院)
65歳以上の方におすすめの「肺炎球菌ワクチン(PPSV23)」も、インフルエンザワクチンとの同時接種が注目されています。肺炎球菌性肺炎の予防に効果的なこのワクチンですが、接種率は約4割と低め。
そこで、同時接種による接種率向上を目指した研究が行われました。
研究の内容
●対象者:65歳以上の162名
●接種方法:
- 同時接種群:インフルエンザワクチンと肺炎球菌ワクチンを同日に接種。
- 逐次接種群:インフルエンザワクチン接種2週間後に肺炎球菌ワクチンを接種。
●結果:
- 抗体応答:同時接種でも逐次接種でも効果に差はありませんでした。
- 副反応:有害事象の増加は見られませんでした。
結論
同時接種は、病院に行く回数を減らすだけでなく、接種の機会を逃しにくいというメリットがあります。特に高齢者の方にはおすすめです。
まとめ:効率よく健康を守ろう!
インフルエンザワクチンは他のワクチンと同時接種しても安全で、効率的な予防策になります。
この冬、感染症対策を万全にするために、同時接種を検討してみてはいかがでしょうか?気になる点があれば、ぜひかかりつけ医に相談してみてくださいね!